抗体の超変異及びクラススイッチの制御分子 AID の発見

京都大学 大学院 医学研究科
分子生体統御学講座 分子生物学 教授

本庶 佑 氏


京都大学 大学院 医学研究科
分子生体統御学講座 分子生物学 特任助教授(COE)

村松 正道 氏


研究領域における業績や、発明・発見の内容

抗体重鎖遺伝子座は、クラススイッチと体細胞超変異の2つの現象を行い抗体機能を格段に向上させる。この2つの現象は B 細胞の抗体重鎖遺伝子座の染色体 DNA レベルでおこり、クラススイッチは IgM から IgG や IgA をつくり出す組み換え反応である。一方、体細胞超変異は可変領域に点突然変異を導入する反応で、抗体の親和性成熟の原動力となっている。この2つの現象自体は数十年前から知られていたが、どのような酵素がこの現象を押し進めているかは、長らく謎であった。今回の一連の研究は、私達が見つけた AID という遺伝子が、この2つの現象の要にあたる遺伝子である事を証明したものである。実際、 AID 遺伝子が機能を喪失すると、その2つの抗体遺伝子改変がおこらず、免疫不全症となる。この一連の研究は、現在では抗体遺伝子座の研究者以外に、 HIV 感染や肝炎ウイルス感染症、発ガン、遺伝子修復研究、といった別分野の研究者からも注目されおり、免疫学のブレークスルーと言える。


この研究に関して獲得した研究資金や学術賞

  • 文部科学省 科学研究費 特別推進研究(COE)
  • 平成12年度 文化功労者
  • 平成13年度 米国科学アカデミー外国人会員
  • 平成15年度 ドイツ自然科学者アカデミー・レオポルディナ会員

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