新規ホルモン“グレリン( Ghrelin )”の発見とその生理的意義の解明

寒川 賢治 氏 リサーチフロント

国立循環器病センター研究所 生化学部長
京都大学 大学院 医学研究科 教授
京都大学医学部附属病院 探索医療センター 教授

寒川 賢治 氏


研究領域における業績や、発明・発見の内容

成長ホルモン分泌促進物質( GHS )と呼ばれる一連の合成化合物が、成長ホルモン分泌を刺激することは 20 年以上前より知られていた。このことから、 GHS 受容体の内因性リガンドの存在が推測され、多くのグループによりその精製が行われていたが成功していなかった。われわれのグループは 1999 年に、この内因性リガンドをラットの胃より発見・構造決定し、“グレリン( ghrelin )”と名づけた( ghre は grow (成長)のインド‐ヨーロッパ基語であることに因んで)。グレリンはアミノ酸 28 個のペプチドホルモンであるが、脂肪酸(オクタン酸)で修飾されたこれまでにないユニークな構造を有する。グレリンは、成長ホルモン分泌刺激作用に加えて食欲の亢進作用を有し、また、循環器系や代謝系の調節にも深く関与し、生体の恒常性(ホメオスタシス)の維持において多彩な役割を担っている。現在、グレリンによる循環器疾患や拒食症などの摂食障害等の治療応用の臨床研究が進行中である。


この研究に関して獲得した研究資金や学術賞

  • 平成12年度 武田科学振興財団 生命科学研究助成
  • 平成12-15年度 厚生労働科学研究費補助金 長寿科学総合研究事業
  • 平成13-16年度 医薬品医療機器総合機構 基礎研究推進事業
  • 平成13-17年度 文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(S)
  • 平成15-16年度 厚生労働科学研究費補助金 長寿科学総合研究事業
  • 岡本国際賞:新規循環調節ペプチドの発見とその基盤的研究(平成14年度)
  • 日本内分泌学会学会賞:新規ペプチドホルモンの発見・構造決定とその基盤的研究(平成16年度)
  • 2004年9月9-11日 The 43rd Karolinska Institute Nobel Conference “ Brain Control of Feeding Behaviour ” (招待講演、於ス トックホルム)

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