DNA 傷害で誘導される癌抑制蛋白質 p53 のリン 酸化による活性化の発見と解明

田矢 洋一 氏 リサーチフロント

国立がんセンター放射線研究部 部長

田矢 洋一 氏


研究領域における業績や、発明・発見の内容

p53 は 1979 年に発見され、分子量が5万3千の p rotein (蛋白質)であったのでこの名が付けられたのですが、今では、ヒトの癌の約 50% で変異による失活が見られ、発癌のメカニズムを解明する上でも、新しい癌治療法を開発する上でも、癌に関係した最も重要な蛋白質と認識されています。 p53 は細胞の DNA がダメージを受けた時に細胞の増殖を停止させたり、あるいはアポトーシスという細胞の自殺を誘導したりとさまざまな働きをします。しかし、そのメカニズムは不明でした。私は p53 上に約 13 ヶ所存在するリン酸化部位をそれぞれ別々に認識する抗体をほぼすべて作製し、これらのリン酸化部位のうちの特定の部位のリン酸化が DNA ダメージなどによる特定のリン酸化酵素の活性化によって誘導され、 p53 のさまざまな生理機能の発揮を制御していることを明らかにしてきました。


この研究に関して獲得した研究資金や学術賞

  • 平成13年度 高松宮妃癌研究基金学術賞 受賞
  • 平成11-16年度 科学技術振興機構戦略的基礎研究推進事業(CREST)
    (平成16年11月以降3年間継続)

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