中国特許レポートを発表。中国が技術革新のグローバルリーダーへ

~2011年には中国の年間特許数が日本や米国を上回り世界第一位になると予測。農業や製造業などの従来分野から、技術革新へと大きく転換~

2010年12月2日(日本時間)
イギリス ロンドン発
*イギリス時間10月5日に発表されたプレスリリースです。

世界的な情報・データベース企業であるトムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都千代田区)は、2008年12月の「中国特許」レポートに続く第2弾レポートとして、「中国の特許状況:中国における技術革新の現状と将来」を発表しました。

本レポートは、トムソン・ロイターのDerwent World Patents Index®(DWPISM)データベースに基づき、中国、ヨーロッパ、日本、韓国およびアメリカにおける第一特許出願に関する分析結果をまとめたものです。2003~2009年の中国の特許申請数は年間平均増加率26.1%と大きな躍進を見せています。同期間、米国は5.5%、日本は1.0%であり、これらの結果から、中国の年間特許数が2011年には米国、日本を上回り世界のトップになるという予測が発表されました。これは、2008年に発表した同レポート第1弾に記載された予測より1年早まった結果です。

【調査手法】

本レポートでは、特許活動の成長予測に加え、中国出願と同一特許の外国出願の構成、国内特許出願と外国特許出願の対比、特許の技術領域、政府あるいは政策との密接な関連性、特許の質と量について分析しました。

【分析結果のまとめ】

今回の分析レポートにより得られた知見のサマリーは以下の通りです。

  • 特許の拡張: 国内企業による技術革新が特許の好調を支える一方で、知的所有権の保護を海外に広げています。中国が2007年~2008年に外国出願した特許数は、ヨーロッパで33.5%、日本で15.9%、アメリカで14.1%増加しました。
  • 中国政府による技術革新の推進: 産業技術革新奨励策、研究開発税の控除、温家宝中国首相が打ち出した技術革新を中心とした経済国への転換公約、技術革新の推進力となる内国人による特許(実用新案)の増加など中国政府による技術革新への投資と推進が見られます。
  • 農業技術から先端技術への転換: 中国の経済情勢の変化と同様、特許出願においても大きな変化が起きています。食料生産に関わる農業を中心とした技術革新は、先端技術革新に比べて成長が鈍く、デジタルコンピュータに関する中国国内特許の出願数は1998年~2008年の10年間で4,861%と大幅に増加しました。同時期の天然産物あるいはポリマーに関する特許の出願数は552%とかなり小幅に増加するにとどまりました。
  • 中国における知的所有権の新形式―実用新案特許: 2009年に出願された全中国特許のうち約半数は実用新案特許でした。実用新案は厳格性が低く手頃な費用で出願可能な特許形式であり、10年間の権利を保護するものです(発明特許の権利保護は20年)。中国における実用新案特許の利用率は2001年以降毎年平均18.6%ずつ増加しており、実用新案は外国出願においても潜在的価値のある戦略手段になっています。
  • 中国特許の質の向上: 中国におけるすべての発明特許に対し、登録に至った特許の割合を追跡した結果、特許の質が徐々に向上している傾向がみられました。

特許活動は技術革新のバロメーターです。世界における特許活動を追跡することにより、その国の技術革新と経済効果に対する見識を知ることができます。

なお、本レポートの日本語訳はこちらからダウンロードすることができます。

【分析に使用したデータベース】

Derwent World Patents Index® (DWPISM)
DWPIは、トムソン・ロイターの世界最大の付加価値特許データベースです。各技術分野の専門家により作成された独自の英文抄録と索引により、必要な特許情報を包括的かつ効率的に検索、把握、分析することができます。DWPIには世界41特許発行機関が発行する約4,000万件以上の特許公報の情報が収録されており、農薬、化学、医薬、高分子、電気、機械などあらゆる技術分野の世界の特許情報を網羅しています。


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情報出所 : トムソン・ロイター(Thomson Reuters)
2010年10月5日
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