日本の科学研究動向レポート、『グローバル・リサーチ・レポート:日本』を発表

~日本の論文数はほぼ横ばい、中国など新興国の台頭もあり論文数の世界シェアは低下~

2010年7月6日(JST)
米国ペンシルバニア州フィラデルフィア/英国ロンドン発
*米国時間6月22日に発表されたプレスリリースです。

トムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都千代田区)は本日、同社が発行する『グローバル・リサーチ・レポート』シリーズの一環として、日本版レポート(Global Research Report: Japan)を発表しました。

グローバル・リサーチ・レポート:日本
レポートのダウンロードはこちら

『グローバル・リサーチ・レポート:日本』は、ブラジルインド中国ロシアオーストラリア・ニュージーランドアフリカに続きトムソン・ロイターが発行するレポートで、その国や地域における科学研究、共同研究の推移、ならびに世界の科学研究に占める地位などを論文や引用データからまとめたものです。今回の調査により、世界トップクラスの大学や定評ある政府研究機関を擁し、ノーベル賞受賞者を輩出しているにもかかわらず、日本の科学研究業績はやや停滞していることが報告されました。

研究論文数は横ばいながら、2000年には9.45%だった世界全体の年間科学論文発表数に占めるシェアは2009年には6.75%と低下しました。しかし、新興国からの論文の増加と国際共同研究への参加が拡大している今日、同様の傾向は日本だけではありません。(注1)

本レポートの主な調査所見は次の通りです。

  • 物理学関係の論文が世界の11.09%のシェアを占め、日本最大の研究分野となっています。2005年から2009年の5年間で、日本から約54,835件の論文が発表されました。
  • 同時期の論文の平均被引用数においては、日本は世界平均より2%差がつき、他のG7諸国と比較しても低い結果となりました。
  • 共同研究では、G7とアジア・太平洋地域の国々との連携が上位を占めるものの、総論文数からみた日本の海外展開の比率は高くありません。連携のトップ国は米国で、全体の論文数の7.8%(2005-2009年)、次いで中国の2.8%でした。機関別でみた共同活動の一位は中国科学院(CAS: Chinese Academy of Sciences、中国)、そしてハーバード大学(米国)、マックス・プランク研究所(ドイツ)が続きます。
  • 今後は、国内の研究基盤が成長していく中国や韓国との地域的共同研究の重要性が高まり、アジア・太平洋地域ネットワークを構築できる可能性があります。

【トムソン・ロイター 研究評価担当ディレクター ジョナサン・アダムス(Jonathan Adams)のコメント】

「日本の研究政策は非常に示唆に富んでいます。過去半世紀以上にわたり多くの分野で近代科学の発展に大きく貢献してきました。日本の研究業績を低迷させている要因のひとつは、国際的な研究協力の比率が低いことにあるかもしれません。日本の研究は、急速に発展している近隣諸国と協力して技術革新の機会を追求するのではなく、国内の活動によって支えられているように見受けられます。」

(注1)米国のシェアは33.5%→28.5%、英国は9.43%→7.68%に下降。(それぞれ2000年→2009年)

この調査は、Web of KnowledgeSMプラットフォーム上で使用する世界最高水準の学術文献引用データベースWeb of Science®のデータを使用して作成しました。 この報告書の日本語訳はこちらのページでダウンロードできます。

Web of Scienceとは?

世界中の影響力の高い学術雑誌約11,000誌(2009年8月現在)を厳選し、包括的なアクセスを提供するオンライン学術文献データベースです。引用文献情報も収載しているので、文献の引用回数を調べたり、引用文献をたどって研究の発展や経過を調べたりすることができます。


トムソン・ロイターについて

トムソン・ロイターは、ビジネスや専門家向けの高度な情報を提供する世界的なリーディングカンパニーです。産業に関する高度な専門知識と先端技術を組み合わせ、金融・法律・税務会計・科学・医療・メディア分野の意思決定者向けに、世界で最も信頼される情報提供者としての役割を果たしていきます。100カ国以上で約5万5千人の従業員を抱えるトムソン・ロイターの本社はニューヨークに置かれ、ロンドンとイーガン(米国ミネソタ州)が主要なオペレーションセンターとして機能しています。

ヘルスケア&サイエンスビジネス 日本代表 長尾正樹
ip-science.thomsonreuters.jp/about/


情報出所 : トムソン・ロイター(Thomson Reuters)
2010年6月22日

本件問合せ先

Clarivate Analytics
担当:熊谷
〒107-6119
東京都港区赤坂5丁目2番20号
赤坂パークビル19階
TEL: 03-4589-3102
E-mail