『IPマーケットリポート』で食品包装市場の動向を分析

~食品包装の特許保有数では、大日本印刷など日本企業がトップを独占~

2011年5月吉日
米国ニューヨーク州ニューヨーク発
*米国時間2011年4月13日に発表されたプレスリリースです。

世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都千代田区)は、知財動向から特定分野のトレンドを分析する「IPマーケットリポート」シリーズの最新リポートを発表しました。今回は、環境保全や人口増加など、さまざまな課題にともないニーズの高まる食品包装業界に焦点を当て、業界の動向を、特許・登録商標などの知的財産情報や関連科学文献などから収集・分析しました。

「IPマーケットリポート」は、トムソン・ロイターが定期的に発行する知的財産リポートです。今回の分析結果と手法は以下のとおりです。

【分析結果】

  • 特許では日本企業が健闘:食品包装の特許の多くはB2B(企業間ビジネス)企業が保有しています。特許保有数のトップ5は、大日本印刷、凸版印刷、吉野工業所、東洋製罐など日本企業が独占していました(リポート図表4)。意匠の保有数トップは、プラスチパック・パッケージング社やP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)です(図表5)。
    食品包装に関する特許の保有数(リポートから抜粋)
    食品包装に関する特許の保有数
    (リポートから抜粋。リポート全文のダウンロードはこちらから
  • 論文の引用動向からみる未来の包装材:大学や公的研究機関では、抗菌性の包装材やナノテクによる軽量化や高機能を備えた包装材などが研究されています(図表7,8,9)。
  • 意匠ではB2C企業がイノベーションを牽引:包装に関する米国意匠の分析によると、B2C(企業対一般消費者ビジネス)企業は特許よりも意匠を重視する知財戦略を採っています。キャンベルスープ社の「持ちやすく、開けやすい」人間工学的デザイン缶のように画期的な意匠を開発することで、マーケットの特有なニーズに応え、業界のトレンドを起こしています(図表5,6)。
  • ブランド確立のために包装の特徴を商標化:飲食品業界において製品のブランドはマーケットシェアを維持するための重要な要素です。世界的にみて、業界の商標の所有数はB2C企業がB2B企業を多少上回っています。包装関連の商標には"No Waste"、"Zero Waste"のように包装自体の特徴を伝えようとする傾向があります。(図表11,12)。
  • エコ表示の盲点:生分解性、リサイクル、バリアフィルムに関連する特許申請が増える一方、環境に優しい包装に関する基準が定められていないため、どれが本当に「環境に優しい」のかはいまだ不透明です。米国サスティナビリティ包装連盟(US Sustainable Packaging Coalition)およびヨーロッパ包装環境協会(European Organization for Packaging and the Environment)は現在、米国連邦取引委員会(US Federal Trade Commission)などの組織とともに基準の設定に取り組んでおり、この問題は今後数カ月さらに注目されるでしょう。
  • 今後の対策 – 付加価値のある包装:今回の分析では「環境保護」というテーマ以外にも、不正開封防止や、RFID(注1)テクノロジーを使って食品の出荷元から出荷先までを追跡する包装など、その他の注目すべき分野の技術革新にも言及しています。

【調査手法】

知財調査・分析プラットフォームであるThomson Innovation®、同プラットフォームに組み込まれた、4,250万件以上の特許公報を網羅する2,000万件の特許ファミリー収録する特許データベースDerwent World Patents Index®(DWPISM)を使用。商標の調査は、世界の商標を検索できるオンラインツールSAEGISTMからのデータを集計。訴訟情報は、Westlaw法的調査サービスプラットフォームIP Monitorで収集。

成人1,011人を対象に行ったトムソン・ロイターの調査では、男性がより便利な包装の製品を選択する傾向があるのに比べ、女性は環境保護を重視する傾向が14%以上男性より高いことが分かりました。利便性をとるか、エコを取るかは、消費者の利便性重視派と環境保護重視派で意見が分かれます。業界では、双方のニーズを満たすために、便利な包装と環境配慮の両方を追求する動きがみられます。

特許や商標は技術革新の基準指標とされ、今後のトレンドを俯瞰する指標にもなります。このリポート(『CONVENIENCE VS.CONSCIENCE~食品包装業界における知的財産の役割について~』)の全文はこちらからダウンロードすることができます。

(注1) RFID(Radio Frequency Identification)とは、ID情報を埋め込んだタグにより、近距離の無線通信で情報を交換すること、またはその技術。

【Derwent World Patents Index(DWPI)とは】

トムソン・ロイターの世界最大の付加価値特許データベースです。各技術分野の専門家により作成された独自の英文抄録と索引により、必要な特許情報を包括的かつ効率的に検索、把握、分析することができます。DWPIには世界45特許発行機関が発行する約4,250万件以上の特許公報の情報が収録されており、農薬、化学、医薬、高分子、電気、機械などあらゆる技術分野の世界の特許情報を網羅しています。

【SAEGISとは】

世界200以上の国/地域/機関の商標情報がオンライン上で検索できる、商標データベースです。インターネット上からアクセス可能で、世界各国の商標データを瞬時に確認できる他、医薬品名、ドメイン名の検索も同時に行えます。
商標データには指定商品・役務が現地語及び英語で付与されており、出願中の商標データも検索可能です(一部の国を除く)。

【過去のIPマーケットリポート】


トムソン・ロイターについて

トムソン・ロイターは、ビジネスや専門家向けの高度な情報を提供する世界的なリーディングカンパニーです。産業に関する高度な専門知識と先端技術を組み合わせ、金融・法律・税務会計・科学・医療・メディア分野の意思決定者向けに、世界で最も信頼される情報提供者としての役割を果たしていきます。100カ国以上で約5万5千人の従業員を抱えるトムソン・ロイターの本社はニューヨークに置かれ、ロンドンとイーガン(米国ミネソタ州)が主要なオペレーションセンターとして機能しています。

トムソン・ロイター・プロフェショナル株式会社 代表取締役社長 長尾正樹
ip-science.thomsonreuters.jp/about/


情報出所 : トムソン・ロイター(Thomson Reuters)
2011年4月13日

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