<報道資料>2001年以降、再生可能エネルギー分野の特許出願件数は増加の一途。日本企業は、太陽光発電分野に強み
再生可能エネルギー分野における特許動向
2011年8月3日(日本時間)
東京発
世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都千代田区)は、知財調査・分析プラットフォームであるThomson Innovation®を使用し、再生可能エネルギー分野の特許動向をまとめました。その中で、再生可能エネルギーに関する特許が2001年を境に増加していること、出願数が一番多い太陽光発電の分野で、シャープ、三洋電機(注1)など、日本企業がトップ10の多数を占めていることが報告されました。
再生可能エネルギーの中核を担う「太陽光発電」、「風力発電」、「バイオマス発電」、「地熱発電」の4項目でデータを抽出し、特に特許出願件数が多く、動向が見えやすい「太陽光発電」を中心に傾向を分析しました。主な調査所見は以下の通りです。
- 上記4項目の世界の特許出願数は、おしなべて上昇しており、「太陽光発電」の特許出願件数が群を抜いています(図1)。この活発な市場で、日本企業が特許活動をリードしています。
(図1)再生可能エネルギー分野での年次特許出願傾向。太陽光、風力は2001年以降、バイオマス、地熱発電は近年大きく出願件数を伸ばしている。
(出典:Thomson Innovation)
表1 2010 太陽光分野 1 シャープ 2 LG 3 コニカミノルタ 4 Applied Materials 5 Du Pont 6 三洋電機 7 三菱電機 8 京セラ 9 Samsung 9 富士フィルム - 2010年の太陽光発電分野における出願数トップ3企業は、シャープ、LG(韓国)、コニカミノルタでした(表1)。本分野は、1990年代にキヤノンが先行して小幅な盛り上がりを見せています。その後、2001年からシャープがけん引する形で大きく躍進しました(図2)。
(図2)1991-2010年の太陽光発電における総出願件数で上位10社を抽出、年次数位をまとめたグラフ。近年LG、サムスンの躍進が目立つものの、シャープ、三洋電機(パナソニック)など日本企業も再度特許出願に力を入れている。
(出典:Thomson Innovation)
- 太陽光発電において、LG,、サムスンは、従来の強みを生かし、半導体技術、シリコン、酸化亜鉛等の材料関係の特許を出願し、太陽光分野にも応用しようとする戦略が伺えます。一方、シャープは、半導体技術や電池モジュール製造技術、モーター駆動装置など幅広い分野をカバーしています(図3)。
(図3)シャープ、LG、サムスンの、太陽光発電における技術分布
(出典:Thomson Innovation)
- 現在、太陽光発電における特許の被引用数のトップは、米Sunpower Corpが出願したものです。Sunpowerは、2011年5月に、フランスの石油企業で太陽光発電市場に投資しているTotal社の傘下入りし、太陽電池の共同開発を行うことを発表しました。このように、保有特許が企業の持つ技術価値となり、買収の動きも見られます。なお、同分野の被引用数3位に、キヤノンの特許が入りました。
特許やその引用数は、その企業の技術力やR&Dの底力を示すひとつの指標となります。企業の保有する特許を分析することで、業界・分野・国別など、さまざまな切り口からその時代を反映する技術トレンドを見ることが可能になります。
【分析に使用したデータベース】
Thomson Innovation®
知財調査・分析プラットフォームであるThomson Innovationは、研究開発活動の調査と分析のための新しいスタンダードです。特許情報、学術文献、ビジネス情報、分析ツールなどの異なる情報・機能がワンストップでご利用できます。研究開発活動に伴う様々な調査プロセスで、皆様の業務の効率化と、高付加価値な情報へのアクセスを実現します。詳しくはこちらをご覧ください。
Derwent World Patents Index®(DWPISM)
Thomson Innovationに組み込まれた、トムソン・ロイターの世界最大の付加価値特許データベースです。各技術分野の専門家により作成された独自の英文抄録と索引により、必要な特許情報を包括的かつ効率的に検索、把握、分析することができます。45特許発行機関の、4,350万件以上の特許公報と2,000万件の特許ファミリー収録(2011年7月現在)し、農薬、化学、医薬、高分子、電気、機械などあらゆる技術分野の世界の特許情報を網羅しています。詳しくはこちらをご覧ください。
*今回の分析は、DWPIのデータを抽出して実施。データはグループ会社を含めて算出。
【再生可能エネルギーとは?】
太陽光、風、地熱、バイオマスなど、自然の力で定常的に補充されるエネルギー資源によりつくられるエネルギーのこと。長期間にわたって枯渇することのないエネルギー源であり、比較的短期間・自発的・定常的に再生される。
- (注1)
- 現在、三洋電機はパナソニックグループの傘下ですが、出願人名が三洋電機のものについては、そのまま三洋電機として算出しています。
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