インドのジェネリック医薬品会社が製薬業界の革新を牽引(「2011年版 アジア太平洋地域 製薬R&Dファクトブック」より)

~アジア太平洋地域のR&D投資と新薬パイプラインに大きな伸び~

2011年10月12日(日本時間)
シンガポール発
*シンガポール時間2011年9月27日に発表されたプレスリリースです。

世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都千代田区)は、9月27日に発表した「2011年版 アジア太平洋地域 製薬R&Dファクトブック」(2011 CMR International Asia Pacific R&D Pharmaceutical Factbook)において、インドのジェネリック医薬品会社がアジア・太平洋地域の製薬業界の発展をけん引していることを明らかにしました。インドのジェネリック会社のR&D投資は活発化しており、2006年から2010年にかけて、世界のジェネリック企業と比較しても、新薬を一番多く開発するなど顕著な伸びを見せています。また、日本では新薬申請にいまだタイムラグがあり、患者の新医薬品へのアクセスが遅れていることが報告されました。

「2011年版 アジア太平洋地域 製薬R&Dファクトブック」は、製薬会社の研究開発統計資料として毎年高い評価を得ている「製薬R&Dファクトブック」に続き、特別にアジア太平洋地域に焦点をおいて編集しているリポートです。トムソン・ロイターの事業子会社であるCMRインターナショナルが、昨年から年次で販売し、アジア太平洋地域の製薬企業における臨床試験動向や新薬開発のトレンドなどを俯瞰しています。このエクゼクティブサマリは、トムソン・ロイターのウエブサイト上で無償公開されています。
2011年版 アジア太平洋地域 製薬R&Dファクトブック ダウンロード

2010年版のリポートでは、アジア・太平洋地域の製薬会社がジェネリック薬の開発から、より高リスク・高利益率の医薬品開発を目指していること、また、日本以外のR&D投資に将来的な増加傾向が見られることが報告されました。今年のリポートでは、以下を含む注目記事が掲載されています。

  • アジア太平洋地域は潜在的患者人口が多く、医薬品メーカーにとって魅力的な市場であることに変わりありません。
  • 同地域は臨床開発のための被験者募集に適し、その登録数合計も継続的に増加しています。その数は2009年には全世界の10% を占めるまでになり、2003年の5%から倍増しました。この変化は米国中心の臨床開発戦略からの大きな転換であり、世界の医薬品業界の同地域への注目度を裏付けています。
  • インドに拠点をおくジェネリック医薬品会社は、市場シェア拡大のため、ハイリスク・ハイリターン医薬品へのパテントチャレンジ(注1)や、革新的な研究開発に対する投資傾向が強くみられます。これは2009年から2010年のインド企業によるパテントチャレンジの申請件数が72%増加したことからも明らかです。(図1)
    インド企業によるパテントチャレンジの申請件数推移
    (図1)インド企業によるパテントチャレンジの申請件数推移
    ダウンロードはこちらから
  • 2006年から2010年にかけて前臨床段階だったインドのジェネリック医薬品会社のパイプラインは、徐々に次の開発ステージに進んでいくでしょう。この動きは、大手多国籍企業にとっては、競争激化であるとともに、提携チャンスの増加の可能性も示唆しています。

しかし、このように世界の臨床試験にアジア地域が注目される中、リポートでは同地域諸国の抱える懸念事項も浮き彫りにしています。

  • 【日本】他国での最初の人への臨床試験から日本で同じ臨床試験が開始されるまで、平均1年の遅れが生じています。
  • 【日本】2008年の規制当局への申請段階で、日本での申請は2年以上遅れていました。これは、新医薬品が最初の市場(通常は規制が行き届いた米国やEUなど)で申請されてから2年以上経っても、日本で申請されていないことを意味します。この結果、患者が新医薬品を使用できない状態が生じています。
  • 【中国】60%から90%の企業が、中国規制当局の要求が他国より厳しいと感じています。
  • 【シンガポール】シンガポールは、 この地域で、低業績の臨床試験が最も多い場所となっています。

このファクトブックの掲載情報は、全世界の製薬業界の研究開発費の約80%を占める大手製薬会社を網羅した情報源に基づいています。ファクトブックについての詳細はウエブサイトをご覧いただくか、弊社コンタクトまでご連絡ください。

(注1)
パテントチャレンジとは、既に特許取得済みの医療用医薬品が特許切れを迎える前に他の製薬会社がジェネリック医薬品の開発申請を行い、特許切れ前に開発に着手する試みのこと。

CMRインターナショナルについて

CMRインターナショナル(CMR International)は世界の製薬会社の研究開発パフォーマンス測定において世界をリードするトムソン・ロイターの事業子会社です。同社は、効果的な研究開発のプランニングや推進に寄与するために、約15年間にわたって世界の大手製薬会社と密に連携し、研究開発の生産性評価や業界動向に対する洞察を提供してきました。2003年以降、高い信頼性を持つ重要な比較指標の情報源として、製薬研究開発部門に関する年次報告書『製薬R&Dファクトブック』を発行しています。



トムソン・ロイターについて

トムソン・ロイターは、ビジネスや専門家向けの高度な情報を提供する世界的なリーディングカンパニーです。産業に関する高度な専門知識と先端技術を組み合わせ、金融・法律・税務会計・科学・医療・メディア分野の意思決定者向けに、世界で最も信頼される情報提供者としての役割を果たしていきます。100カ国以上で約5万5千人の従業員を抱えるトムソン・ロイターの本社はニューヨークに置かれ、ロンドンとイーガン(米国ミネソタ州)が主要なオペレーションセンターとして機能しています。

トムソン・ロイター・プロフェショナル株式会社 代表取締役社長 長尾正樹
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情報出所 : トムソン・ロイター(Thomson Reuters)
2011年9月27日
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