目覚ましい中国の成長―『グローバル・リサーチ・リポート:材料科学』を発表
~本分野における国別論文数は、中国が世界一。東北大学など、日本の研究機関も世界で存在感~
2011年7月7日(日本時間)
米国ペンシルバニア州フィラデルフィア/英国ロンドン発
*米国時間2011年6月27日に発表されたプレスリリースです。
世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都千代田区)は、同社が発行する『グローバル・リサーチ・リポート』シリーズの新たな報告書として、「材料科学」版(Global Research Report: Materials Science and Technology)を発表しました。
『グローバル・リサーチ・リポート:材料科学』は、今までトムソン・ロイターが国・地域別に発表していた10本のリポートの続編として発表する、切り口を分野別に据えた初めての調査報告書です。過去10本のリポートでは、日本を含む特定の国や地域における科学研究、共同研究の推移、ならびに世界の科学研究に占める地位などを、論文や引用データから分析しました。
今回のリポートの焦点は、日本のお家芸とも言われ、製造業において革新的な製品を生み出す可能性から、多くの国々で主要研究分野となっている「材料科学」です。材料科学と化学の密接な関係が認められた本調査報告書は、世界化学年(International Year of Chemistry)に合わせて作成・発表されました。
本リポートの主な調査所見は次の通りです。
- 急激な成長を遂げつつある材料科学分野の論文の多くが、アジア・太平洋地域、特に中国から発表されています。中国は、2003年に日本を、2005年に米国を抜き、本分野の論文数で世界一となりました。中国の躍動が、アジアをけん引しています。(図1)
- アジア・太平洋地域の躍進により、同様のシェア低下が欧州連合においても見られます。(図1)
- 日本の研究機関を見ると、論文数では世界トップ20機関中7機関、被引用数では5機関がランクインしました。論文数では東北大学が国内1位(世界3位)、続いて(独)産業技術総合研究所(世界7位)、(独)物質・材料研究機構(世界8位)など、被引用数では、東北大学(世界3位)、(独)物質・材料研究機構(世界4位)、(独)産業技術総合研究所(世界6位)などとなりました。(表1)
- 論文の影響力の指標となる「平均引用数」(被引用総数を総論文数で割った数値)では、米国は今もなお中国の2倍です。しかし、アジアの研究者の経験値が高まり、専門知識を積んできていることから、アジアと欧州および北米の差は縮小しつつあります。
- アジア・太平洋地域の論文数と被引用数を見ると、中国、日本、シンガポール、韓国の学術機関からの発表が、その他のアジア・太平洋諸国を大幅に上回っていることが分かります。
過去5年の材料科学分野の先端研究領域(リサーチフロント(注1))リスト上位には、グラフェンの電子物性、ポリマー太陽電池、強磁性材料および電気磁気材料などが挙げられました。これは、材料科学分野が分野横断的な特性を持っており、その領域が化学、物理学、工学、生物医学にまで及ぶことを裏付けています。
本調査ではまた、最近になって論文数が急激に増加した研究領域である、グラフェン、金属-有機構造体(metal-organic frameworks)、電気紡糸ナノ繊維状骨格(electrospun nanofibrous scaffolds)の分析も行いました。これらの材料の利用や開発は、電子技術、エネルギー貯蔵、医用生体工学に新たな息吹をもたらす可能性があります。
この調査は、Web of KnowledgeSMプラットフォーム上で使用する世界最高水準の学術文献引用データベースWeb of ScienceSMのデータを使用して作成しました。報告書は、ウェブサイトからダウンロードすることができます。また、過去の「グローバル・リサーチ・リポート」シリーズも、弊社ウェブサイトでご覧いただけます。
(注1)リサーチフロントとは、今後飛躍的な発展が期待される最先端の研究領域を特定する手法です。トムソン・ロイターでは、高被引用論文(各分野それぞれ上位1%の論文)の共引用パターンを分析することで、先端領域もしくはその領域をリードする研究者を特定しています。詳しくはこちらをご覧ください。
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情報出所 : トムソン・ロイター(Thomson Reuters)
2011年6月27日
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