アジア太平洋地域の化学分野における論文・引用ランキングを発表

~平均被引用数では、シンガポール・オーストラリア・日本が世界平均を上回る。地域全体の論文数も大きく増加~

2011年3月30日(日本時間)
アジア太平洋(シンガポール)発
*日本時間3月28日に発表されたプレスリリースです

世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都千代田区)は、アジア太平洋地域の化学分野における論文・引用ランキングを発表しました。

このランキングでは、論文の「数」で中国・日本が他国を圧倒するものの、研究の「影響力」を表す平均被引用数ではシンガポール・オーストラリア・日本が上位を占めることが分かります。また、本地域が化学分野の研究論文数で他地域を圧倒しつつあり、全論文の約43%に達したことも合わせて発表されました。この調査は、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)及び国際純正応用化学連合が2011年を国際化学年と宣言していることにちなみ、実施されたものです。

【使用データベース】

Essential Science IndicatorsSM
学術論文・引用索引データベースWeb of ScienceSMの論文情報をベースとする、統計・動向データを集約した分析ツール

【対象期間と条件】

2000年1月1日-2010年12月31日
上記期間中、化学分野の雑誌に3,000本以上の論文が掲載された国と地域が対象

【分析結果】

  • その国・地域の論文の影響力を計るうえで目安となる1論文あたりの平均被引用数ではシンガポールがトップ、世界順位12位でした。次いで、オーストラリア(世界順位16位)、日本(世界順位19位)が続きます。日本の平均被引用数は世界平均を上回る11.19でした。中国は、平均被引用数では9位(世界39位)でした。
    平均被引用数を尺度として用いることで、発表された論文の数に関わらず国・地域の比較をすることが可能になります。
  • 論文の生産力をみる総論文数では、中国が地域の1位(世界2位)、日本は2位(世界3位)となりました。
  • 総被引用数では、日本が中国に近接されつつも地域のトップ(世界2位)を守っています。 
    アジア太平洋地域の化学分野における平均被引用数トップ10
    アジア
    太平洋
    地域順位
    世界順位 地域 平均
    被引用数
    (1論文あたり)
    論文数 被引用数
    1 12 シンガポール
    12.83
    7,596
    97,454
    2 16 オーストラリア
    12.44
    19,131
    237,923
    3 19 日本 11.78 115,760 1,363,434
    * * 世界 11.19 1,197,020 13,394,419
    4 23 ニュージーランド
    10.67
    3,257
    34,755
    5 24 韓国
    9.86
    36,557
    360,424
    6 26 台湾
    9.32
    20,041
    186,746
    7 37 タイ
    7.01
    3,955
    27,730
    8 38 インド
    6.96
    64,903
    451,536
    9 39 中国 6.86 181,496 1,245,602
    10 45 マレーシア
    4.19
    5,365
    22,461
  • アジア太平洋地域の化学分野における国際シェアは、1981年には19%であったものが43%と、この30年間に2倍を超える増加を見せました。これは主として中国の寄与するもので、中国の化学研究論文の世界シェアは1981年の0.3%から20%まで増加しています。EUと米国は、90年代半ば以降論文の世界シェアを大きく落としており、現在それぞれ32%、18%となっています。
  • 論文の分野別・発表年別に世界の総引用数上位1%に入る高被引用論文を分析すると、今回1位のシンガポールは2000年から2010年の間に100報発表していました。科学技術研究庁(Agency for Science, Technology and Research、A*STAR)傘下の研究機関が設立されたことにより、同国の化学分野における高被引用論文が飛躍的に増加したことがわかります。その結果、国全体の影響力の水準が押し上げられました。

Essential Science Indicatorsは、Web of Scienceから得られる学術論文の刊行数と引用データに基づき、科学研究業績に関する統計情報と動向データを編纂したデータベースです。 このツールを活用することで、その国やある研究機関にとっての強み・弱みや世界への影響力などを分析することが可能になります。詳細は弊社ウエブサイトをご参照ください。


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