『グローバル・リサーチ・リポート:中東』を発表

~国際比率は低水準ながら、論文数は急速な上昇傾向。国際的な影響力が認められる分野も~

2011年3月11日(日本時間)
米国ペンシルバニア州フィラデルフィア/英国ロンドン発
*米国時間3月3日に発表されたプレスリリースです。

世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都千代田区)は、同社が発行する『グローバル・リサーチ・リポート』シリーズの一環として、中東版リポート(Global Research Report: Middle East)を発表しました。

『グローバル・リサーチ・リポート:中東』ダウンロード

『グローバル・リサーチ・リポート:中東』は、インド中国日本米国などに続きトムソン・ロイターが発行する10本目の科学研究動向の分析リポートです。ある特定の国や地域における科学研究、共同研究の推移、ならびに世界の科学研究に占める地位などを論文や引用データから考察しています。今回分析対象とした中東14カ国(注1)では、論文数は世界全体のわずか4%ながら直近の10年間で急速な伸びを見せていること、分野によっては国際的に認められる科学的進歩がみられることが報告されました。

本リポートの主な調査所見は次の通りです。

  • 過去10年間(2000年~2009年)の同地域の論文数は76万件から116万件超に推移し、世界シェアも2%弱から4%強へと急速に増加しました。論文数の伸び率は、ヨーロッパ諸国(注2)、米国、アジア太平洋諸国(注3)などを上回っています。しかし、もともと低水準からの増加であるとともに、顕著な伸びはトルコ、イラン、エジプト、サウジアラビア、ヨルダンに集中しており、現在この5カ国からの発表が全体の9割を占めています。
  • 被引用数インパクトから分析した同地域の論文の影響力は、上記5大論文産出国でも世界平均の半分程度です。しかし近年、分野によっては被引用数でトップ1%に入る論文を排出する国も出てきました。例として、数学分野でのエジプトやサウジアラビア、工学分野でのトルコなどが挙げられます。
  • 他国との共同研究(論文の共著)に関しても、一般的に他地域の実績を下回っています。エジプト、ヨルダン、サウジアラビアの国際共著は全論文の約4割前後である一方、イランとトルコはその半分以下です。共同研究のパートナーは米国が最も多く、次いで英国、ドイツが続きます。
  • エジプトが同地域で中核的な役割を果たし、欧州や北アフリカ、ひいては米国や日本との橋渡し役となっています。

本リポートには、1999年のノーベル化学賞受賞者でカリフォルニア工科大学物理化学部教授のアハメッド・ズウェイル(Ahmed Zewail)氏が序文を寄せました。この中で氏は、同地域における科学の進歩のために必要な要素を三つ挙げています。それは、教育機会の拡大、国家憲法の改革による自由の拡大、そして各国における優秀な科学技術センターの設立です。トムソン・ロイターの調査・評価ディレクターで、本報告書の分析・執筆に携わったジョナサン・アダムズも、「中東における研究投資額は世界平均のおよそ4分の1に過ぎない。研究資金の拡大、教育改善による人材育成、そして国際的協力の拡充が、同地域におけるこれまでの成長を継続するために必要となる」と述べています。

この調査は、Web of KnowledgeSMプラットフォーム上で使用する世界最高水準の学術文献引用データベースWeb of ScienceSMと、研究評価ツールInCitesのデータを使用して作成しました。報告書は、ウェブサイトからダウンロードすることができます。また、過去の「グローバル・リサーチ・リポート」も弊社ウェブサイトでご覧いただけます。

(注1)「中東14カ国」は、バーレーン, エジプト, イラン, イラク, ヨルダン, クウェート, レバノン, オマーン, カタール, サウジアラビア, シリア, トルコ, アラブ首長国連邦, イエメン

(注2)「ヨーロッパ諸国」はEU27のデータを抽出。(EU-27: オーストリア、ベルギー、ブルガリア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、英国)

(注3)アジア太平洋諸国のデータは、日本、中国、インド、オーストラリア、韓国、台湾、シンガポール、ニュージーランド、タイ、マレーシア、パキスタン、ベトナム、インドネシア、バングラデシュ、フィリピン、スリランカ、ネパール、モンゴル、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ブルネイ。


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情報出所 : トムソン・ロイター(Thomson Reuters)
2011年3月3日

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