研究の先端領域と、その領域で活躍する日本の研究者を発表

~「第3回リサーチフロントアワード」で、今後飛躍的な発展が期待される7領域16名を表彰~

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2012年2月14日(日本時間)
東京発

世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都千代田区)は本日、卓越した先端研究領域において活躍・貢献が認められる研究者を「第3回リサーチフロントアワード」に選出いたしました。本賞は2004年、2007年に続き3度目の発表で、全世界6,762の先端研究領域(リサーチフロント)から、日本の貢献の比重が高いフロント7つと、その中で顕著な功績が認められる日本の研究機関所属の研究者16名を発表するものです。

リサーチフロントアワードとは?
リサーチフロントアワードは、今後飛躍的な発展が期待される先端研究領域を特定するとともに、その領域で世界をリードする日本の研究機関所属の研究者を広く社会に紹介することを目的としています。受賞者の選出は論文の引用分析により行います。トムソン・ロイターが分類した22の学術分野において最も高い頻度で引用されている上位1%の論文(高被引用論文)のうち、後に発表された論文に一緒に引用(共引用)されている論文を分析します。3度目の発表となる今回は、研究内容とその成果の潜在的な可能性を重視し、最近の被引用数の伸びが著しく上昇傾向にある論文を含むフロントを選出いたしました。なお、6,762のうち、日本の研究者が含まれているフロントは1,175でした。

引用分析の要素となる「被引用数」はその研究の影響力を、「共引用」はその論文群がなんらかの研究領域を形作っている(もしくは形成しつつある)ことを意味します。つまり、論文情報をこれらの観点から分析することにより、強い影響力をもち科学の発展に先導的役割を果たしている、もしくは果たしつつある先端研究領域と、そのコアとなる研究者を特定することが可能になります。

このリサーチフロントの基本手法は、2004年より科学技術政策研究所 (NISTEP)が発行する研究領域の動向調査(サイエンスマップ)に用いられています。また、昨年12月に科学技術振興機構(JST)が発表したJ-Global foresightにおけるJST指標の一つとして今後公開される予定となっています。(注1)

リサーチフロントアワードの選出は、毎年9月に「トムソン・ロイター引用栄誉賞(ノーベル賞受賞者予測)」の分析を手掛ける弊社アナリスト、David Pendlebury(デービッド・ペンドルベリー)が担当いたしました。授賞式は、2月21日に東京・赤坂のトムソン・ロイターオフィスで行われる予定です。

【選出理由および使用データベース】

トムソン・ロイターの論文データベースWeb of Science® の2006-2011 年データの引用分析に基づいています。
詳しい分析手法はこちらをご参照ください。


第3回リサーチフロントアワード 受賞者とその研究領域

それぞれのお名前をクリックすると、研究者・研究領域についての詳細をPDFでご覧になれます。

化学/Chemistry
らせん構造制御を基盤とする機能性高分子の開発
前田 勝浩氏 リサーチフロント 前田 勝浩氏
(金沢大学)
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地球科学/Geosciences
地質学的な手法に基づき、19億年前の超大陸を復元し、北中国地塊の位置を推定
丸山 茂徳氏 リサーチフロント 丸山 茂徳氏
(東京工業大学)
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サントッシュ マダバワリヤー氏 リサーチフロント サントッシュ
マダバワリヤー氏
(Dr. M. Santosh)

(高知大学)
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材料科学/Materials Science
1次元無機ナノ構造物質の探索・創製とその応用
板東 義雄氏 リサーチフロント 板東 義雄氏
((独)物質・材料
研究機構)
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デミトリ ゴルバーグ氏 リサーチフロント デミトリ
ゴルバーグ氏
(Dr. Dmitri Golberg)

((独)物質・材料
研究機構)
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植物学/Plant Sciences
植物ホルモン機能の発見によるストリゴラクトン研究の新展開
秋山 康紀氏 リサーチフロント 秋山 康紀氏
(大阪府立大学)
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経塚 淳子氏 リサーチフロント 経塚 淳子氏
(東京大学)
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林 英雄氏 リサーチフロント 林 英雄氏
(大阪府立大学)
山口 信次郎氏 リサーチフロント 山口 信次郎氏
(東北大学)
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米山 弘一氏 リサーチフロント 米山 弘一氏
(宇都宮大学)
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化学/Chemistry
炭素-水素結合切断を経る酸化的カップリングの新手法開発
三浦 雅博氏 リサーチフロント 三浦 雅博氏
(大阪大学)
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佐藤 哲也氏 リサーチフロント 佐藤 哲也氏
(大阪大学)
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化学/Chemistry
自己組織化によるナノメートルスケールの構造・空間・機能の創出
藤田 誠氏 リサーチフロント 藤田 誠氏
(東京大学)
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吉沢 道人氏 リサーチフロント 吉沢 道人氏
(東京工業大学)
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化学/Chemistry
金属ナノ粒子触媒を用いた液相化学水素貯蔵材料の開発
徐 強氏 リサーチフロント 徐 強氏
(Dr. Qiang Xu)

((独)産業技術
総合研究所)
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塩山 洋氏 リサーチフロント 塩山 洋氏
((独)産業技術
総合研究所)

*分野は、その領域の論文が掲載されたジャーナルの区分による。


【受賞者のコメント】

「日本の科学研究が強い影響力をもち、先導的役割を果たしている最先端の分野の研究のひとつとして我々のこれまでの成果が認められたことを大変光栄に思います。今後も、インパクトの高い成果を発信できるように精力的に研究を進めていきたいと考えています。」

金沢大学 前田 勝浩 氏

「I am honored to be chosen for the Thomson Reuter Research Front 2012 Award. I am told that very few scientists attain such an exalted status. I consider this as a major achievement and recognition, as well as the reward for a lifetime of my hard work. This Award enthuses me to work further towards contributing to the scientific advancement for the benefit of the human society.」

高知大学 サントッシュ マダバワリヤー 氏(Dr. M. Santosh)

「The ease in fabrication of ZnO and ZnS nanostructures together with their fascinating electronic and optical properties make them, along with nanotubes and graphenes, the most prospective nanomaterials of the 21st century which should find smart applications in many advanced technologies.」

(独)物質・材料研究機構 デミトリ ゴルバーグ 氏(Dr. Dmitri Golberg)

「菌根共生シグナルとしてストリゴラクトンを単離してからのジェットコースター的展開の日々の中で、さらに今回、このような賞を戴けることを驚きと共に光栄に思っています。今後も、フロントランナーであり続けられるように努力していきたいと思います。」

大阪府立大学 秋山 康紀 氏

「最も普遍的な生物現象の一つである菌根形成に関与する化学因子を明らかにすることができ、科学の進歩に多少なりとも貢献できたことを喜んでおりました。今回、この基礎的研究を認めていただき、大学人として非常に名誉なことと嬉しく思っております。」

大阪府立大学 林 英雄 氏

「ストリゴラクトン研究が、寄生植物から菌根菌へ、そして植物ホルモンへと発展し、その成果を認めて頂いたことに感謝致します。今後は基礎と応用の両面で研究を深化させたいと思います。」

宇都宮大学 米山 弘一 氏

「医薬品や有機機能性材料などの精密合成において触媒的炭素結合形成反応は不可欠なツールの一つです。我々は、新しい効率的な環境調和型反応法の開発を目指して基礎的研究を行ってきましたが、最近の成果が認められうれしく思います。これまでに得られた知見を基に、応用面も視野に入れてさらに研究を展開していきたいと考えています。」

大阪大学 三浦 雅博 氏/佐藤 哲也 氏

「たいへん栄誉ある賞をいただき、関係の皆様や共同研究者にまずは厚く御礼申し上げます。自己組織化の研究に20年以上取り組んでまいりましたが、その間、自己組織化の概念や有用性を拡げつつ、波及効果の大きな研究に育てることを第一の目標に掲げてまいりました。それだけに今回の受賞は喜びもひとしおです。今後、自己組織化の研究がリサーチフロントからリサーチフィールドへと大きく発展することを願っております。」

東京大学 藤田 誠氏

「自己組織化で簡単にかつ精密に組み上がる美しいナノ構造体とその空間に秘められたユニークな現象に魅せられて、研究を続けて来ました。今回の受賞に感謝すると共に、これまでの知見をスマートな材料の開発に繋げて行きたいと考えています。」

東京工業大学 吉沢 道人 氏

「新しい液相化学水素貯蔵材料の提案と、実現のための触媒に関する基礎的研究が認められて嬉しく思います。引き続き研究を進め、エネルギー・環境問題の解決に繋げていきたいと考えています。」

(独)産業技術総合研究所 徐 強 氏(Dr. Qiang Xu)

「豊かで持続可能な社会を実現する上で、エネルギーの多様化は最も重要な課題の一つです。液相化学水素貯蔵材料に関連した、私共のナノ材料研究の成果を評価頂き感謝しております。今後も材料研究者として更なる展開を図りたいと考えています。」

(独)産業技術総合研究所 塩山 洋 氏

 

過去のリサーチフロントアワード

【Web of Scienceとは?】

世界中の影響力の高い学術雑誌12,000誌以上を厳選し、包括的なアクセスを提供するオンライン学術文献データベースです。引用文献情報も収載しているので、文献の引用回数を調べたり、引用文献をたどって研究の発展や経過を調べたりすることができます。

(注1)
科学技術政策研究所(NISTEP)
急速に発展しつつある研究領域調査(1997年から2002年)
サイエンスマップ2004 論文データベース分析(1999年から2004年)による注目される研究領域の動向調査
サイエンスマップ2006 論文データベース分析(2001 年から2006年)による注目される研究領域の動向調査
サイエンスマップ2008 論文データベース分析(2003年から2008年)による注目される研究領域の動向調査
http://www.nistep.go.jp の研究成果より検索

科学技術振興機構(JST)
科学技術情報を活用した調査・分析手法を発信する『J-GLOBAL foresight』の開設について

トムソン・ロイターについて

トムソン・ロイターは、ビジネスや専門家向けの高度な情報を提供する世界的なリーディングカンパニーです。産業に関する高度な専門知識と先端技術を組み合わせ、金融・法律・税務会計・科学・医療・メディア分野の意思決定者向けに、世界で最も信頼される情報提供者としての役割を果たしていきます。100カ国以上で約5万5千人の従業員を抱えるトムソン・ロイターの本社はニューヨークに置かれ、ロンドンとイーガン(米国ミネソタ州)が主要なオペレーションセンターとして機能しています。

IP & Science ビジネス 日本代表 長尾正樹
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