「トムソン・ロイター引用栄誉賞」(ノーベル賞予測)2015年の受賞者を発表。日本からは2名を選出

~ 京都大学大学院 森和俊氏、大阪大学免疫学フロンティア研究センター 坂口志文氏がともに医学・生理学分野で受賞 ~

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2015年9月24日(日本時間)
米国ペンシルバニア州フィラデルフィア発
*米国時間9月24日0時に発表されたプレスリリースの抄訳です。

世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター(本社米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都港区)は、「トムソン・ロイター引用栄誉賞」を発表いたしました。本賞は学術論文の引用データの分析により、ノーベル賞クラスと目される研究者を選出し、その卓越した研究業績を讃える目的で発表されています。2002年より毎年9月の発表が恒例化され、14回目となる本年は日本人研究者2名を含む合計18名が受賞しました。

日本からは、医学・生理学分野において2名の選出が発表されました。京都大学大学院理学研究科教授の森和俊氏は、小胞体内の変性タンパク質の検出と修復によるメカニズムの独自発見により、また大阪大学免疫学フロンティア研究センター(WPI-IFReC) 教授/副拠点長、大阪大学特別教授の坂口志文氏は、制御性T細胞と転写因子Foxp3の特性と機能に関する独創的な発見において、それぞれの功績が讃えられ今回の受賞となりました。

森氏<医学・生理学>
京都大学大学院理学研究科 教授
森  和俊(Mori Kazutoshi) 氏
「小胞体内の変性タンパク質の検出と修復によるメカニズムを独自に発見」

受賞コメント
『基礎研究者にとっての無上の喜びは、刊行された自分の論文がたくさんの研究者や大学院生に読まれ、長きにわたって引用されることですから、トムソン・ロイターより引用栄誉賞をいただくことは格別に嬉しく、また名誉なことであります。今後も、長く多数回引用される良い論文を書いて発表していくことを第一に考えて研究に邁進する所存です。ありがとうございました。』

* * * * *

坂口氏 <医学・生理学>
大阪大学免疫学フロンティア研究センター(WPI-IFReC) 教授/副拠点長
大阪大学 特別教授
坂口 志文(Sakaguchi Shimon) 氏
「制御性T細胞と転写因子Foxp3の特性と機能に関する独創的な発見」

受賞コメント
『制御性T細胞の研究に携わって35年近くになります。制御性T細胞は、ここ15年、多くの研究者によって研究が活発に進み、今や自己免疫病など免疫疾患の治療、がん免疫の誘導など、ヒトの免疫応答の制御に応用されようとしています。今回のトムソン・ロイター引用栄誉賞受賞で、この研究分野への関心の高さを実感でき、今後の研究の励みにしたいと思います。』

<トムソン・ロイター引用栄誉賞とは>
トムソン・ロイター引用栄誉賞は、トムソン・ロイターのデータベースを用いた論文・引用分析において、ノーベル賞クラスと目される研究者を発表するものです。世界トップクラスの研究者の功績を讃え広めることで、科学がより身近なものとして認知されることを目的に、2002年からノーベル賞に先駆けた発表を恒例化しており、本年が第14回目となります。
ノーベル賞の科学系4賞(医学・生理学、物理学、化学、経済学)と同カテゴリで構成されており、これまでに37名が実際にノーベル賞を受賞しています。

<トムソン・ロイター引用栄誉賞の選考基準>
トムソン・ロイター引用栄誉賞は、過去20年以上にわたる学術論文の被引用数に基き、各分野の上位0.1パーセントにランクする研究者の中から選ばれています。主なノーベル賞の分野における総被引用数とハイインパクト論文(各分野において最も引用されたトップ200論文)から、ノーベル委員会が注目すると考えられるカテゴリ(医学・生理学、物理学、化学、経済学)に振り分け、各分野で特に注目すべき研究領域のリーダーと目される候補者を決定します。
本賞は引用分析から「近い将来ノーベル賞を受賞する可能性の高い研究者」を発表することを目的としており、その年のノーベル賞受賞者を予測するものではありません。

<選出に使用するデータベース>
本賞は、世界最高水準の学術文献引用データベース「Web of Science® Core Collection 」 を用いて、医学・生理学、物理学、化学、経済学のノーベル賞4分野において最も影響力があった研究者を分析・発表しています。当社の過去30年以上にわたる分析から、学術論文の被引用数と同分野における研究者間での高評価には、強い相関関係があることが分かっており、論文の引用頻度が高いことは、学術分野における影響度の大きさを示しています。

<過去の日本人受賞者>
過去に本賞を受賞した19名の日本人研究者については以下のサイトをご覧ください(理化学研究所の十倉好紀氏は異なるトピックにより2回受賞)。
2002-2015の日本人受賞者一覧
19名の受賞者のうち、山中伸弥氏は2012年にノーベル医学・生理学賞を、中村修二氏は2014年にノーベル物理学賞をそれぞれ受賞しています。

本年のトムソン・ロイター引用栄誉賞受賞者は、以下の通りです。なお、氏名の後ろに記載の国名は、所属機関の所在地を示しています。


医学・生理学

トピック:(カッコ内の日本語は参考訳) For independently identifying the mechanism by which unfolded proteins in the endoplasmic reticulum are detected and corrected (小胞体内の変性タンパク質の検出と修復によるメカニズムを独自に発見)

森 和俊(日本)
京都大学大学院理学研究科 教授
関連論文(1993年) │ 引用情報付き論文リスト(ResearcherID)
Peter Walter(米国)
Professor and Howard Hughes Medical Institute Investigator, Department of Biochemistry and Biophysics, School of Medicine, University of California San Francisco
San Francisco, CA USA

トピック: For their seminal discoveries concerning the nature and function of regulatory T cells and the transcription factor Foxp3 (制御性T細胞と転写因子Foxp3の特性と機能に関する独創的な発見)

坂口 志文(日本)
大阪大学免疫学フロンティア研究センター(WPI-IFReC) 教授/副拠点長
大阪大学 特別教授
関連論文(2003年) │ 引用情報付き論文リスト(ResearcherID)
ScienceWatch(英文:2004年)
Alexander Y. Rudensky(米国)
Chairman, Immunology Program; Director, Ludwig Center for Cancer Immunotherapy; Tri-Institutional Professor at Memorial Sloan Kettering Cancer Center, The Rockefeller University and Cornell University; Professor, Gerstner Sloan-Kettering Graduate School; Professor, Weill Graduate School of Medical Sciences of Cornell University; Investigator, Howard Hughes Medical
New York, NY USA
Ethan M. Shevach(米国)
Chief, Cellular Immunology Section, National Institutes of Health, National Institute of Allergy and Infectious Diseases
Bethesda, MD USA

トピック: For demonstrating the relationship between the human gut microbiome and physiology, metabolism, and nutrition (ヒトの腸内微生物叢とその生理、代謝作用、栄養吸収の関連性の実証)

Jeffrey I. Gordon(米国)
Dr. Robert J. Glaser Distinguished University Professor and Director of the Center of Genome Sciences and Systems Biology, School of Medicine, Washington University
St. Louis, St. Louis, MO USA

物理学

トピック: For contributions to the development of attosecond physics (アト秒物理学の発展に対する貢献)

Paul B. Corkum(カナダ)
National Research Council-Canada Research Chair in Attosecond Photonics, University of Ottawa
Ottawa, ON CANADA
Ferenc Krausz(ドイツ)
Director and Scientific Member at the Max Planck Institute of Quantum Optics, and Professor of Experimental Physics at Ludwig Maximilian University of Munich
Garching GERMANY

トピック: For pioneering research on atomic gases at ultra-cold temperatures and the creation of the first fermionic condensate (極低温における原子ガスおよび初のフェルミ凝縮の生成に関する先駆的研究)

Deborah S. Jin(米国)
Fellow, JILA, National Institute of Standards and Technology (NIST) and Adjoint Professor of Physics, University of Colorado Boulder
Boulder, CO USA

トピック: For his invention of piezotronic and piezophototronic nanogenerators (圧電ナノジェネレータと、圧電フォトトロニックナノジェネレータの発明)

Zhong Lin Wang(米国)
Hightower Chair in Materials Science and Engineering, Regents’ Professor, College of Engineering Distinguished Professor, and Director, Center for Nanostructure Characterization, Georgia Institute of Technology
Atlanta, GA USA

化学

トピック: For foundational contributions to bioorthogonal chemistry (生体直交型反応に関する基礎的な研究)

Carolyn R. Bertozzi(米国)
Professor, Department of Chemistry, Stanford University
Stanford, CA USA

トピック: For the development of the CRISPR-cas9 method for genome editing (ゲノム編集手法CRISPR-cas9の開発)

Emmanuelle Charpentier(スウェーデン/ドイツ)
Associate Professor, Laboratory for Molecular Infection Medicine Sweden (MIMS, Swedish Node of the European Molecular Biology Laboratory [EMBL] Partnership for Molecular Medicine), Umeå University, Umeå, SWEDEN; Professor, Hannover Medical School, Hannover, GERMANY; and, Head, Department Regulation in Infection Biology, Helmholtz Centre for Infection Research
Braunschweig, GERMANY
Jennifer A. Doudna(米国)
Investigator, Howard Hughes Medical Institute, Professor of Molecular and Cell Biology and of Chemistry, University of California Berkeley
Berkeley, CA USA

トピック: For pioneering research leading to the development of the lithium-ion battery (リチウムイオン電池の開発を導いた先端的研究)

John B. Goodenough(米国)
Virginia H. Cockrell Centennial Chair in Engineering, University of Texas Austin
Austin TX USA
M. Stanley Whittingham(米国)
SUNY Distinguished Professor, Binghamton University (SUNY), Binghamton, NY and Research Professor and Director DOE NECCES EFRC, SUNY Stony Brook
Stony Brook, NY USA

経済学

トピック:For mircoeconometric research on labor markets and consumer behavior (労働市場と消費者行動に関するミクロ経済学の研究)

Sir Richard Blundell(英国)
David Ricardo Professor of Political Philosophy, Department of Economics, University College London
London UK

トピック: For advancing field experiments in economics (経済学における急成長分野の研究)

John A. List(米国)
Homer J. Livingston Professor of Economics, University of Chicago
Chicago, IL USA

トピック: For his description of partial identification and economic analysis of social interactions (社会相互作用についての部分識別および経済学的分析についての説明)

Charles F. Manski(米国)
Board of Trustees Professor in Economics, Northwestern University
Evanston, IL USA

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情報出所 : トムソン・ロイター(Thomson Reuters)
2015年9月24日
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