IPC改訂とDerwent World Patents Indexへの影響
2005年12月8日
トムソン・ロイター サイエンティフィックで取り組んでいるIPC8 とDerwent World Patents Index® (DWPISM) に与える影響についてまとめました。
IPC Reform
IPC改訂における主な変更点は次の通りです。・ IPC改訂に伴い、バックファイルを再分類。
・ コアとアドバンスの2つのレベルでIPCを分類。
・ より頻繁にIPC分類を改訂。(コアレベルが3年ごと、アドバンスレベルが3ヵ月ごと)
バックファイルの再分類
ヨーロッパ特許庁は、バックファイルの再分類を行っています。5,400万件の特許の分類情報を蓄積したデーターベースMaster Classification Database(MCD)を構築しました。ECLAコードとIPC8 のコンバージョンを作成し、ECLAコードをIPC8 に統合し、2,300万件のECLAコードの特許をIPC8 に再分類しました。
Derwent World Patents IndexとあわせてFirst Viewを検索することにより、重要な特許や世界の特許動向をいち早く、包括的に調査することが可能になります。
- IPC7 からIPC8 へ1,500万件の特許の再分類
- 日本特許庁とドイツ特許庁の900万件の特許の再分類(それぞれの分類コードからIPC8 へのコンバージョン方法を使って)
その他の特許庁についても、再分類がすすんでおり、MCDの95パーセントは2006年半ばまでに、IPC8に分類されます。ちなみに、現状のIPC分類がついている特許の割合は80から85パーセントです。
2006年1月1日より発行されるすべての特許は、IPC8 により分類されます。つまり、すべてのバックファイルのコンバージョンが終了次第、IPC8のみで、分類されることになります。(現在は、IPC1-IPC7 で分類されています。)
アドバンスドとコア
最新情報によれば、アドバンスドレベルのIPCを使用して文献を分類する特許庁が多くなると示唆されています。少なくとも、EPO、USPTO、JPO、ドイツ、およびUK特許庁は、アドバンスドレベルのIPCを使用するという明確な意向を示しています。EPOは、PCTミニマムドキュメントをMCD(Master Classification Database)内に維持しているので、少なくともこのコレクション(世界の特許文献の60%以上に相当します)は、アドバンスドレベルIPCを使用して検索可能であることは間違いありません。PCTミニマムドキュメントの最新リスト(2005年6月1日以降有効)は、WIPOのウェブサイトでご覧いただけます。包括的な検索の場合、コアレベルとアドバンスドレベルの両方のIPCを検索することが必要です。一例として、補強側部部材付きの眼鏡に関する発明を検索することを考えてみましょう。この技術に関連のサブクラスはGO2Cです。詳細なIPC分類スキームは以下に記載のとおりです。
| G02C 眼鏡;眼鏡と同じ特徴を有する範囲のサングラスまたはゴーグル (視力検査用枠 A61B 3/04; 眼鏡と同様な特徴をもたないゴ-グルまたは保護眼鏡 A61F 9/00) 注:このサブクラスは、眼用コンタクトレンズ、片眼鏡、鼻眼鏡、またはオペラグラスもカバーしています。 G02C 5/00 非光学部品の構造 G02C 5/14 側部部材 G02C 5/16 弾性または弾性部分をもつもの G02C 5/18 補強したもの G02C 5/20 調整できるもの、例えば望遠鏡 |
G02C-005/18は、アドバンスドレベルのコードです。このコードは下記を検索します。
・ PCTミニマムドキュメントの範囲内の全発明と、
・ アドバンスドレベルを付与する特許庁によって分類された文献と、
・ 変換されたMCDバックファイル。
包括的な検索の場合は、最も密接した適切なコアレベルクラス(この場合はG02C-005/14)を検索し、アドバンスドレベルクラスでの検索によってすでに得られたレコードを排除する必要もあります。アドバンスドレベルとコアレベルのフィールドが存在する方式から生じたものですが、コアレベルで分類されたレコードのみを識別する助けをする巧妙な技があります。
アドバンスドクラスで分類された発明の場合、WIPOが提供するコンコーダンスファイルを使用して、最も密接した対応するコアクラスも自動的に付与され、したがってアドバンスドレベルとコアレベルの両フィールドが存在することになります。コアレベルのみで分類された発明の場合は、アドバンスドレベルフィールドは空です。これは、知的に付与されたコアクラスによって検索された発明と、自動的に付与されたコアクラスによって検索された発明とを識別するのに使用することができます。
下記の例では、generic version of 検索言語および検索限定辞が使用されています。「ICA」は、IPCアドバンスド用の検索限定辞であり、「ICC」は、IPCコア用の検索限定辞です。ヒット数は単に例示するためだけのものです。
SS Results
1. ICA=G02C-005/18 5002. ICC=G02C-005/14 1675
3. 2 NOT ICA=G02C 125
4. 1 OR 3 625
- SS1は、アドバンスドレベルクラスで分類された全レコードを検索します。
- SS2は、知的分類また自動付与によって使用されたコアレベルクラスで分類された全レコードを検索します。
- SS3は、「GO2C」で始まるアドバンスドレベルクラス(コアレベルが自動付与)のレコードを排除するので、自動付与によって追加されたコアレベルクラスをもつ全レコードをSS2から排除します。したがって、これはコアレベルで知的に分類されたレコードだけを包含しています。
- SS4は、アドバンスドレベルクラスで分類されたレコードと、コアレベルで知的に分類されたレコードを合わせます。
言うまでも無く、この回答セットの中には、やはり不正確な検索結果として、補強材を取り扱っていない側部部材付きの眼鏡が含まれていますが、補強側部部材を取り扱っている文献はもれていないはずです(ただし、分類が特許庁によって正しく付与されているものとします)。
アドバンスレベルの改訂サイクル
一番影響を受けるのは、アラートや検索式を保存するユーザーです。アドバンスレベルのIPC分類を用いてアラートや検索式を保存している場合、頻繁に変更する必要があります。おそらく、3ヶ月ごとの変更はあまり大きなものとはならないと予想しています。
最近のEPO特許情報コンファレンスにおいて、EPOのHeiko Wongel 氏は、現状のシステムにおける変更数と数においてはそれほど変わらないと述べています。ただし、今までは5年ごとの改訂だったのが、今後は、同意が得られれば3ヶ月に一度となるということです。
さらに、改訂は、インターネットで改訂の3ヶ月前に掲載されます。ユーザーは、インターネットをみて、あらかじめ改訂に対処することができます。
IPCの改訂とDWPIにおける影響
IPCの改訂によって、検索しやすくなります。
- IPCは2つのレベルで表示されます:最初の発明とパテントファミリーメンバーとしての分類です。
- 現在のDWPIファミリーのIPCフィールドを保持
- 現在の検索および表示オプションは変更しません
- 現在のコンテンツは再分類データが利用可能になった段階でアップデートします
- フィールドを“Latest IPCs”として再定義します
- DWPIファミリー中の各メンバーに新しいIPCフィールドを導入します
- それぞれの特許公報発行の際に付与された“Original IPCs”
- EPOによる再分類により付与された“Latest IPCs”
- 新しいIPCの属性情報をレコードにどのように反映するかは検討中
- IPC7 : Main / Secondary / Additional / Index
- IPC8 : Advanced / Core / Invention / Non-Invention
- 全てのIPCフィールドを一括検索するためのsuper-indexを作成
ユーザーは、IPCが新しい発明についているのか、パテントファミリーについているのかによって、選択して検索することができます。ユーザーがIPCのついているすべての発明をみたいときに(コアであろうがアドバンスであろうが、新しい発明であろうがなかろうが)super-indexを使って入手することができます。
その他のDWPIにおけるアップデート:
- Documentation Abstract のバックファイル追加
- 各国の分類コードに対応
- US Classification(2006年より対応、1975年以降のUS登録特許、 2001年以降のUS公開公報を対象)
- ECLA(2006年末までに追加予定)
- Fターム(追加予定)
- 各ファミリーメンバーのサブセクション(ファーストレベルデータを含む)
- タイトル、抄録、メインクレーム (利用可能な場合)
- 発明者のフルネーム
- 標準書誌事項:例:特許番号、出願日、IPC等
- 付加書誌事項:例:住所、弁理士/エージェントの詳細
トムソンの他のデータベースにおけるIPC8 の影響は次回お伝えいたします。
引用文献: