ケーススタディー:Herbivore Induced Volatiles 化学生態学・生物的防除
Science Watchから京都大学 生態学研究センターの高林先生の2000年の注目論文のテーマを取り上げます。植物と昆虫の関係に関する論文Herbivory-induced volatiles elicit defence genes in lima bean leaves (NATURE, 2000)の文献から、このテーマの関連情報をWeb of ScienceとBIOSISで検索していきます。
【分析1】
Web of Science Citation Reports: 論文数と被引用の年代別推移 (補足は こちら)
Herbivore Induced Volatiles関連783論文を調べた結果を、論文数(左)、被引用数(右)でグラフ化したものです。1984年から検索され始め、2004年から急激に増え始め、2008年には100本以上が発表されています。また、引用された数を見ると現在は3500を越える勢いです。
【分析2】
Web of Science: 注目論文のその後の分野別分析 (補足は こちら)
高林先生の Herbivory-induced volatiles elicit defence genes in lima bean leaves (NATURE, 2000)はどのような分野に引用されてきたか?植物学関連だけでなく、Food Science やPharmacologyにも引用されています。
【分析3】
Web of Science: 注目論文の引用マップ こちら)
高林先生のこのNature 2000の年別引用回数です。2006年と2008年に特に引用が急増しています。今回は特に、高林先生の文献が出版された2000年から2003年の動きについて特に調べてみました。
Web of Science Citation Map:
Herbivory-induced volatiles elicit defence genes in lima bean leaves (NATURE, 2000) の被引用を ①第一著者名、②分野別カラー(赤はPlant Science、緑はEcology、青はEntomology)、③年代順
Science Watch 日本版
統計ツール Essential Science Indicators (ESI)では、最近10年間の学術論文の引用動向データをもとに、さまざまなデータや指標を提供しています。ESI 収録の高被引用度論文(Highly Cited Papers)の中でも特に影響度の高い論文は、 弊社ウェブサイトScience Watchで著者インタビューとともに広く一般に紹介されます。
Science Watch - 日本の研究者による注目論文&インタビュー
<補足資料> 分析1から3までの流れをどのように実行するかを補足します。
【バックグラウンド】
植物がイモムシなどの害虫に食べられる際に、植物はただ食べられるだけで無く、さらに食べられないように、化学的な物質を出して、植物に付く「害虫」を駆除してくれる天敵を呼び寄せるということが論じられています。
- Wed of Scienceでは何ができるのか?
このテーマが世の中で何時ごろから、どれぐらい論じられているのか?さらには、高林先生の文献がどのように引用されてきているのか2世代に渡って追跡します。 - BIOSIS Previewでは何ができるのか?
このテーマでどのような植物が論じられているのか?あるいはどのような昆虫が論じられているのか?などを分析します。
【分析1】
Web of Science Citation Reports : 論文数と被引用の年代別推移 の補足
まず、検索キーワードですが、herbivory induced volatileの最後にアスタリスクをつけて、複数形も検索します。さらに短縮形が存在する場合は、ORの後にその短縮形も続けます。
| #2 | 225 | Topic=(herbivory induced volatile* or HIPV) Databases=SCI-EXPANDED, SSCI, A&HCI, CPCI-S, CPCI-SSH, IC, CCR-EXPANDED Timespan=All Years |
あるいは類義語(plant plant interaction)も合わせて検索します。”Plant plant”の” ”は、この語順で必ず続くものを検索します。何も指定しないスペースは、AND扱いになります。
| #3 | 468 | Topic=(herbivory induced volatile* or HIPV) OR Topic=("plant plant" interaction*) Databases=SCI-EXPANDED, SSCI, A&HCI, CPCI-S, CPCI-SSH, IC, CCR-EXPANDED Timespan=All Years |
さらに、#3の結果を確認中、Author Key Word中に下記の記述があるのを確認し、キーワードをherbivor* induced volatile* に変更しました。herbivore-induced plant volatiles
| #4 | 786 | Topic=(herbivor* induced volatile* or HIPV) OR Topic=("plant plant" interaction*) Databases=SCI-EXPANDED, SSCI, A&HCI, CPCI-S, CPCI-SSH, IC, CCR-EXPANDED Timespan=All Years |
Refine
納得できる集合ができたら、Result画面の左に表示されるRefineで、検索結果の中身を把握していきます。サブジェクトでは、どのような分野のジャーナルの文献かで絞ることができます。また、この絞込みには、著者名や研究機関名のオプションもあります。
Citation Reports
1ページの上の表は、Citation Reportsをクリックすると表示されます。
研究者別 :
この表は、国際誌にあるキーワードが入っている著者のリストです。左から順番に多い人順になっています。
【分析2】
Web of Science : 注目論文のその後の分野別分析 の補足
論文名が分かっている際は、そのタイトルをカットアンドペーストして、タイトル検索すると便利です。 Herbivory-induced volatiles elicit defence genes in lima bean leaves (NATURE, 2000)
【分析3】
Web of Science : 注目論文の引用マップ 補足
Citation Mapは、2008年夏に加わった新しい機能です。色々な使い方が考えられますが、以下の点で便利です。
- 引用している未来の文献が172件あるが、どのような人たちなのだとろうか?また、それらの文献はさらにどんな人に引用されているのだろうか?Forward Only ⇒ 2 Generationで分析例えば日本人の文献があまり欧米の文献に引用されていなかった場合でも、ある未来の欧米の文献から、いっきに広まることもあります。2世代目への流れを見ると面白いです。
- あるいは、ある件について、どのような研究所が取り組んでいるのか知りたいとき、引用情報には著者の所属機関が通常表示されていませんが、Citation Mapだと表示できます。2世代に渡って、どのような研究所が引用関係の中で現れているかを確認すると、思わぬつながりを発見することがあります。
- あるいは、ある研究の生い立ちを考えた際に、過去の引用文献を2世代に渡って、マップ化すると、もともとは、どのような文献から派生してきたのか?あるいはどの著者が関与していたのか?あるいはどのような大学が関与していたのかなど、確認できます。
マップが表示されたら、見やすいように表示項目や順番を並び替えます。
1: Appearance ⇒ Set note textでノードの表示(author)などを選びます。
2: Appearance ⇒ Color Code Byで色を選びます。
3: Appearance ⇒ Order Notes で例えばPublish yearを選ぶと時計回りに新しく並び変わります。
参考
【BIOSIS Previewの分析】
生物学専門のBIOSIS Previewで同じことを検索すると、681件ヒットしました。この結果から、Major Concepts(何が主要に論じられたか?)Super Taxa(生物系統分類)で絞込みことが可能になります。
例えば、Economic Entomologyは害虫駆除や農薬などの人間の経済活動にインパクトを与えるものに、この索引付与されます。新たにキーワードを入れなくても、「人間の経済活動にインパクトを与えるもの」を絞り込めます。
* 別途Web of KnowledgeのBIOSIS Preview (Thomson Reuters作成の世界最大の生物学データベース)の契約が必要です。
【Web of Scienceの検索結果】
【BIOSIS Previewの検索結果】
(このケーススタディーはデータベースの利用方法の全体の流れを示す目的で作成され、検索の精度や、内容を補償するものではありません。ご質問はトムソンロイターまでお問い合わせ下さい。)